麗しの「ダイヤモンド・プリンセス」
今でこそ家造りにのめり込んでいる私だが、
20代の頃は情熱のほとんどを船造りに費やした。
造船大学を出て、船舶設計事務所に就職し、
夜遅くまで船舶の設計に熱を注いでいた。
大学時代を過ごした長崎と社会人生活を送った
神奈川(横須賀・横浜)では、
大型客船が入港の際には、何を差し置いてでも
見学に出かけたものだった。
そんな私にとって、
昨日はビッグイベントが待っていた。
酒田北港に、
あの「ダイヤモンド・プリンセス号」が入港したのだ。
忘れかけていた感動を取り戻すかのように、
いの一番に駆けつけて、その艶やかな姿に見入った。
全長が290mの大きな船体は、
地中海の海を漂うクルーズ船にも負けないデザインを呈して、
静かに佇んでいた。
まさかこの山形で豪華客船を目にすることができるとは
思ってもいなかった。
4時の出港まで待つこと1時間、
酒田北港を悠悠と進む彼女の姿を見れたことは、
この上ない喜びとなった。