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最上川の恵みを受け、日本有数の米の産地として豊かな水田が広がる庄内平野に「鶴岡サイエンスパーク」はあります。2001年に山形県と同県鶴岡市、慶應義塾大学先端生命科学研究所が連携する形で設立されて以来、世界最先端のバイオテクノロジー研究が行われており、後世へと発見と可能性をつなげていく官民学による未来創造田園都市として国内外から注目されています。
Industry|産
Government|官
Academia|学
庄内平野が現在も米どころとして残っているのは、元々の環境の良さもありますが、地域の人々がその時々に合わせて苗を改良し、痩せないように土壌を整え、技術を継承し続けたからに他なりません。言うなればこの水田の地は、稲作というバイオテクノロジーの由緒ある場所なのです。また、かつて城下町であった歴史もあり、江戸時代に荘内藩九代目藩主酒井忠徳が藩校「致道館」を創設して以来、教育に力が入れられてきた地域でもあります。子どもの健全な学習を支える学校給食も鶴岡市が発祥の地です。
古くから大切にされている景色と文化に見守られながら、最先端の研究とサイエンスパークを中心に形成されるつながりによって地域内外を問わず生まれるコミュニティを育て、日本はもちろん世界へと人類に限らず地球全体の未来を創っていく最新技術を発信していくことが本サイエンスパークの存在意義であると考えています。
そもそも日本遺産を国内最多の3つ持つ鶴岡市は、豊かな自然と伝統文化によって紡がれてきた街です。遺産登録されている一つに、羽黒山、月山、湯殿山の通称・出羽三山「生まれ変わりの旅」がありますが、生きながらにして新しい魂に生まれ変わる巡礼地として、江戸時代から日本全国の人が訪れています。鶴岡は、生命の息吹を感じる土地なのです。
サイエンスパークで行われている研究のメインは、バイオテクノロジーと呼ばれるものですが、生物、食料、自然環境……さまざまなものと密接に関わる分野です。一言にまとめると、生物がより良い未来を迎えられるための研究。また全ての生物は生と死のサイクルがあることから、先ほどの出羽三山巡礼になぞらえれば「生まれ変わりの研究」ともいえます。
現在では研究や教育機能だけでなく、バイオベンチャー企業Spiberなどによるビジネス創造、リトリートホテル施設SUIDEN TERRASSEや子どもたちの才能を伸ばす全天候型の児童施設KIDS DOME SORAIも完備。地域内も地域外も、さまざまな営みに目を向け、人々の生活を耕し、田園風景のなかに浮かぶように存在するホテルと、子どもたちが遊びながら考える力と作る力を育てる場所。ここは、土地が生まれ変わり続けるための重要な役割を担っています。
地域と教育機関と民間企業が一丸となったサイエンスパークとして、鶴岡の恵まれた環境で、未来に価値を創造するという強い使命感を持って共に飛躍していきます。そして、私たちの取り組みに共感してくださる地域内外からの方々との共創によって、未来へ文化が紡がれる新たな発見とビジネスの循環が生まれることを望んでいます。