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湯の瀬温泉がいつごろからこの地に流れ出ていたかは定かではありません。しかし、かなり古くからだと聞いております。昭和30年代初めまでは一軒の旅館が営業しておりましたが、当地道はまだ整備されておらず、灯りはランプだけといった状態だったそうです。その旅館がなくなった後、湯は五十川に流れるままになっておりました。

とある神経痛に悩む老人が、家人に背負ってもらい当地まで来られ、
数日後、重い荷物を背負い晴々とした表情でこの地を後にした。


という言い伝えがあり、神経痛に効く温泉であると聞いておりました。古くからこの地が「湯野瀬」と呼ばれていた事からわかるように、湯の出る場所として、地元では広く認知された土地だったのです。

 
 当館の自慢のひとつに温泉を引いた泉水に泳ぐ錦鯉があります。この錦鯉は玄関を入ってすぐのロビーで見ることができます。そしてこの鯉こそが、湯の瀬温泉の歴史とは切っても切れない関係にあるのです。
  まだ湯の瀬旅館がなかった当時、この地は桑畑でした。そしてその地を地主から借り受けた先代は、ここで錦鯉の養殖を始めました。しかし、庄内の冬は厳しいものです。鯉は厳しい冬を絶えられずに死んでいきました。毎年毎年、それこそ何十匹何百匹という鯉が冬を越せずに死んでいきました。「どうにかして鯉に冬を越させる手立てはないものか」そう思案した先代は、試しに温泉の流れる川に鯉を1匹持っていってみたところ鯉は元気に泳ぎ出しました。これをみた先代は、水温の安定した温泉を利用して鯉を養殖することを思いつきました。これが「湯野瀬の湯」に着目するひとつのそして大きなきっかけになったのです。
 
 
 湯野瀬の湯を使うことで、錦鯉が越冬できずに死ぬことはなくなりました。そして先代は古くからこの地にあった先の湯の瀬の言い伝えを思い出したのです。「この湯野瀬の温水を、本格的に人が入れる温泉として活用できないものか」と家族と相談しました。先代の行動力と家族の協力もあり、この地まで電気を引くなどして数年かけて温泉旅館として開業できるところまでこぎつけました。開業当時の温泉の温度は24℃。温泉として登録できる温度でしたがこの湧水を入浴可能な温度まで加熱して使っておりました。
 これでも充分な効能が認められ、本館に続いて別館の増築、大露天風呂の新設など、既に多くの方からお喜びいただける温泉旅館として、湯の瀬旅館は栄えました。しかし先代はそれでも満足しなかったのです。「もっと深く掘り進めれば、もっと良いお湯が出るのではないか」そう考えた先代は、現在の源泉よりも深く掘り進めることを決意しました。
 
しかし、温泉に詳しい専門家様から「ここは掘り進んでも、絶対に今より良い源泉なんてない。掘るだけ無駄。」という、ありがたくない助言を頂きました。でも先代は、そんな程度では諦めませんでした。「いくら掘っても温泉が出ないなんて神様が決めたわけではない。」そう言って、もっと優れた温泉が出ることを信じ、ひたすら掘り進めたのです。もし、専門家の言うことが当たっていて、いくら掘り進んでも温泉が出なかったら…それまでに費やした時間も費用も、全て水泡に帰するのです。
  そして1200mという温泉採掘許可深度も目前に迫ったある日…忘れもしません、平成3年12月25日。採掘深度1050mにて湯温48℃、源泉名・佐藤2号源泉が湧出しました諦めずひたすらひとつのことを黙々と続けそして必ずやり遂げるという確固たる信念でした。
 
 おかげさまで湯の瀬温泉・湯の瀬旅館は、現在多くの方から喜ばれております。何より嬉しいのは、一度来たお客様がまた二度三度と繰り返して来てくださることと、当館からご帰宅なされる度に、色々な方へ当館のお話をお土産話としてお話しくださり、そしてそれを聞きつけて来館下さるかたが多くいらっしゃることです。これからも湯の瀬旅館は、皆様に心よりお寛ぎ頂ける旅館でありつづけます。
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