紅屋女将の岩のりのおにぎり物語

鶴岡の隠れた名物として知られる岩のりのおにぎりは紅屋が元祖でございます。

コース料理の〆(しめ)としてお出しするお店が増えてきました。
ある種郷土料理のような扱いになっているような気がいたします。
そんな岩のりのおにぎりは、何を隠そう紅屋のオリジナルメニューなのです。
産地や生産者・獲った時期にまでこだわった最高級の岩のりは、口の中いっぱいに磯の香りと幸せが広がる絶品です。
ふとしたきっかけから、紅屋の手を離れ郷土料理となってしまった岩のりのおにぎりの誕生秘話を是非ご一読あれ。

 時はさかのぼる事30年前、海辺にすんでいらっしゃる方が寒風吹き付ける冬の日本海からとってきた岩のりを背負って売りにきていましたが、当時はお吸い物に入れるくらいしか使い道もなく、収穫に苦労する割にはなかなか売れない時代でした。そこでふとお吸い物ではありきたりだなぁと、夜のまかない食として主人と二人で食べてみたところ、なかなか旨い。とりあえず裏メニューとして常連のお客さんに出したところもの凄く大好評となり、今では知る人ぞ知る庄内のおにぎり業界の隠れチャンピオンにまでのぼりつめてしまいました。時は流れ、テレビや雑誌でも取り上げられた「岩のりのおにぎり」は、日本料理の店として、定着していった紅屋にとっても欠かせない存在

となりつつあり、本来日本料理のごはんものといえば、季節を感じさせる筍ごはんや松茸ごはん、鯛飯などが一般的ですが、例えばお祝いなので鯛飯をご準備したとしても「あれ!?岩のりのおにぎりじゃないの」と言われてしまう始末。そんな多くのお客様の声にお答えして今では大抵のコースの〆(しめ)として岩のりのおにぎりをお出ししております。そして現在、当店では最初に始めた元祖として岩のりに関しては、生産者指定・収穫時期指定・港指定をして、毎年天候により味や食感等も違いますが、岩のりのおにぎりの品質向上に努めています。ホームページをご覧の上食べてみたい方がいらっしゃいましたら、ご予約の際お申し付けくださいませ。